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齊藤太一|わたしと家族と、 家ものがたり。Vol.11
静かな森の中で、大地と呼吸を合わせるような家。
もみじ、白樺、から松、こぶし・・・。都心からさほど離れていない山中湖では、あらゆる種の木々が静寂の森でひとしれず美しい中秋を迎えている。風が吹くたびに、色とりどりの葉がはらはらと舞っては、パサリと大地に落ちていく。ブルーグレーの外壁の一軒家。切妻屋根から突き出た煙突から、焚きはじめの煙がのぼり徐々に空へと溶けていく。
「はじめてこの家を見た時、シャルロット・ペリアンの山荘みたいだなって、思ったんです」。
ル・コルビジェとともに働き、20世紀を代表するアイコニックな女性建築家の名前。彼女が情熱を注いだ、フランス・メリベルの山荘は、シンプルさとオーガニック、そして人間らしさを極めた空間だ。簡素とも呼べるペリアンのその山荘に共感を抱くのは、片腕に眠った息子を抱く齊藤太一さん。DAISHIZEN代表の齊藤さんは、造園家でありランドスケープデザイナーとして活躍するひと。「SOLSO FARM」などのショップや農場を、全国各地で営み、建築や空間づくりの中で植物主導のあり方を世に打ち出し、自然に寄り添ったライフスタイルを表現し続けている。
もともと、山中湖に別荘を所有していたという齊藤さんは、週末のたびに、その別荘に滞在をしながら次なる新しい場所を探し続けていた。理想としていたのは、子どもたちが自由に走り回れるようなフラットに広がる土地。そして、ともに働く仲間が一緒に遊び集えるような場所。景色を優先する湖畔の別荘地では、良い物件は斜面の場合が多く、なかなか理想とする場所を見つけることができなかったのだと言う。しかし、今年のステイホーム中、ついに1400坪という広さの土地とそこに建つ山荘に運命的に出合ったのだ。
「こんなにも広い土地が、荒れることなく丁寧に守られてきたことに感動しました。草むしりもしっかりされていたし、芝も苔もきれいに生えそろっていた。プロの目から見ても、この場所が本当に大事にされてきたことが分かったんです」。
わずか2ヶ月前に、第4子となる女の子が誕生したばかりという齊藤さん家族はいま、代わる代わるやってくるスタッフやゲストとともに、この森の別荘で週末の時間を過ごしている。新生児の赤ちゃんに加え、7歳の男の子、4歳の女の子、そして2歳の男の子という、4児の父親としても、ここは「緑育」の実践の場にもなっているのだ。
築10数年という中古住宅の室内は、細部まで丁寧に作られていて、齊藤さんの例え通り、木を活かした素朴な山荘のようないい味わいに満ちている。白壁に木枠の窓が優しい雰囲気を演出し、天窓からあたたかな光が差し込むダイニングには、…
※「重量木骨の家」ホームページへ遷移します。
齊藤太一
岩手県生まれ。造園家、グリーンプロデューサー。15 歳から独学で植物販売や造園を始める。主宰するDAISHIZENでは、「SOLSO」というブランドでランドスケープデザインから設計、施工などを行い、SOLSO FARM やSOLSO PARK、SOLSO HOME などの直営店も展開。農業に関するコンサルティングなども行い、有名建築家とのコラボレーションも多数。