47都道府県の子どもたちへのものづくり [九州・沖縄エリア]
1. 福岡 「ムーンスター」
足袋をルーツに持つ靴メーカーの、丈夫で型くずれしにくい子ども靴
1873年久留米に創業し、座敷足袋の製造から始まった「ムーンスター」は、ゴム底をつけた地下足袋の製造を開始したことを機に、様々な履物を研究、製造してきた。学校向けの靴づくりでも知られ、耐久性から安全性、履き心地まで高基準を設けて開発する。独自技法でソールがしなやかで柔らかく、ゴム紐は脱ぎ履きもしやすい。
2. 佐賀 「飛鳥工房」
家具づくりを支える諸富町から、すべすべで安全なおもちゃ
家具のつまみや取手などの製造工場が多くある諸富町で1986年に創業。その細かな木工加工の技術を活かし、1994年から子どもが安心してつかえるおもちゃづくりを始めた。柔らかい子どもの肌に触れることを考え、表面を念入りに磨き上げ、木目も美しく見せる。仕上げには口に入れても安心な自然塗料を使い、名入れにも対応する。
3. 長崎 「西海陶器」
日用食器の町・波佐見町でつくる、毎日つかえる子ども食器
多くの窯元が集まり、日用食器をつくってきた波佐見町。歴史を守りつつ、オリジナル商品の開発にも取り組む「西海陶器」は、廃業する窯元の跡地を譲り受け、若い世代のショップやカフェを誘致するなど、地元に新たな流れを生み出す。「Cシリーズ」は全ての商品がスタッキング可能で収納時にも困らず、毎日使える子ども食器。
4. 熊本 「木育工房」
熊本県産ひのきも材料に、受け継がれる無垢のおもちゃ
「子どもの頃から木に親しんでほしい」という願いから、無垢材の家具、遊具、木のおもちゃをつくる「木育工房」。「おままごとセット」は、熊本県産のひのきをはじめとする、4種類の木で食べ物の色を表現。遊んだ後は箱に全て収納し、お片づけの練習にもなる。木の性質を活かして長く使えるように工夫し、受け継がれるおもちゃ。
5. 大分 「中村さとみ」
竹細工の技術でつくる、驚きをくれる竹のはさみ
大分県産の孟宗竹を使い、割り、剥ぎ、火曲げなどの竹細工の技術で、カトラリーやハンガーなどの日用品をつくる。「竹で紙が切れる驚きと、その感触を楽しんで欲しい」と、コピー用紙などの紙が切れる「竹のはさみ」を製作。子どもたちの創造性を育みながら、竹の質感を通して、ものを丁寧に扱うことを学ぶ道具。
6. 宮崎 「日南飫肥杉デザイン会」
日南市の飫肥杉でつくる、軽くてやわらかい木のパズル
400年の歴史を持つ飫肥林業の中心として知られている日南市。この地で生産される飫肥杉は、油分が多く弾力性のある特長から良質な造船材として取引されていたが、需要の低迷により急速に衰退。そこで、地域資源としてもう一度見直そうと、地元メーカーや行政、デザイナーなどが協力し、飫肥杉を活かした商品が生まれている。
7. 鹿児島 「AKIHIRO WOODWORKS」
地元木材から生み出される、おもわず触れたくなる木彫りの鳥
鹿児島を拠点に親子3人で活動する「AKIHIRO WOODWORKS」は、2002年の活動開始以来、オーダー家具製作、オリジナルのプロダクト製品の展開、店舗、住宅内装から、インスタレーション作品の発表など、活動の幅を広げ続けている。「手で作るプロダクトデザイン」をテーマに、地元木材を用いた特徴的な作品を、手作業で生み出す。
8. 沖縄 「たま木工」
やんばるの森で育つ木で、耐水性と強度をもった暮らしの道具
沖縄本島の北部にある「やんばる」と呼ばれる森では、亜熱帯の木々が多く存在する。それらの耐水性と強度を活かし、器やカトラリーなどを手掛ける「たま木工」。小さな暮らしの道具を通して、「幼いときから木を通して森とふれあい、自然や環境に興味を持って欲しい」という思いを、木の温もりとともに伝える。