写真とともに綴る命の記録。写真家、田尾沙織『大丈夫。今日も生きている』
2015年秋、写真家の田尾沙織は妊娠25週と4日で長男の奏介君を出産。出生時の体重は500g。医師からは「72時間が山だ」と告げられたそう。“生きている時間が残り少ないとしたら、産まれた事実を残してあげたい”と考えた彼女は、産んでよかったのかという疑念、自分に母性があるのかわからない戸惑い、解消されない悔やみなど、さまざまな思いを抱えながらも、奏介君の生きる力を信じてカメラを向け続けた。
本書『大丈夫。今日も生きている』は、その出産からNICU(新生児集中治療管理室)、GCU(回復治療室)を経て退院するまでの256日間の記録が写真とともに綴られている。
人は赤ちゃんのとき、生きようとする選択しかしない――。子どもが懸命に生きるその姿に勇気をもらえる一冊。ぜひ手にとってみて。