〈ビームス〉のコミュニケーションディレクターに聞く、スタイルのある家
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ひと言で “子どもとの暮らし” と言っても、子どもの年齢によってスタイルは大きく変わる。小さなときは親の趣味一辺倒だったのが、大きくなるにつれて、子どもも意見するようになったり、好みがはっきりしてきたり。
今回訪ねたのは〈ビームス〉のコミュニケーションディレクターの土井地博さんのお宅。〈ビームス〉全体の宣伝広報・販促のディレクションを手がけ、ファッションのみならずカルチャーやライフスタイルといったフィールドをも牽引するビームスの顔とも言える存在だ。
土井地さんファミリーは、バッグを中心に展開するブランドHAVEFUNのディレクターである恵理子さんと、11歳の双子のお嬢さん世莉ちゃんと莉央ちゃんの4人。 “ お年頃 ” に差し掛かってきたローティーンの女子ふたりがいる土井地家はどのような雰囲気なのだろうか?
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「仕事柄、僕は海外に行くことがかなり多くて、そこで見つけたものをつい買い込んでしまいがちなんです。家に飾ってあるこまごまとしたものは大体僕が買ってきたもの。でも、妻とは好みが似ているので、家全体のテイストはブレないですね。ただ、娘たちには不評なことも多くて(笑)」
という土井地さん。やはり、どんなに目利きのパパでも娘さんたちの反対にあっては趣味を貫くことが難しいときもあるらしい。
そんなに土井地さんに対して恵理子さんも、
「彼が選ぶものはたいてい私も “ いいな ” と思います。やはりプロなんで色んなものを見てますし、そこは信頼してますね。ただ、同じようなものをいくつも買ってくるクセがあってうちには同じリンゴのオブジェが4つもあります(笑)」
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旅先で見つけたヴィンテージのポスターや、アーティストのリトグラフ、アートブックや写真集などアートに関するものも多い土井地さん宅。さすが〈ビームス〉の顔!という印象のこなれたオシャレ感が漂う住空間だ。お嬢さんたちの意見も反映しながら、基本は夫婦のテイストを貫く姿勢がスタイルある暮らしを成立させているのだろう。
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子どもの写真をリビングに
そのなかにあって、印象的なのが双子のお嬢さんが成長して行く様子がわかる子ども写真の数々である。赤ちゃんのときのスナップ写真を入れたいくつものフォトフレームが飾られ、ダイニングテーブルの横の壁には額装された写真が並ぶ。
「壁の写真は毎年、ホンマタカシさんが撮影してくれたもの(上の写真と、
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海外などではよく見かける、壁にいくつも子どもやファミリーの写真が飾られている風景。日本ではなぜかそうしたプライベートな写真を家にいくつも飾るスタイルをあまり見かけないが、子ども時代の記憶が同居する空間は、やはり暮らしを温かく彩ってくれることを再確認する。
ベーシックこそ、個性が出る写真選び
アートフォトの飾り方を指南していただく本連載。さまざまなカルチャーシーンを知りつくし、自らも牽引役として活躍する土井地さん。ファミリーの写真以外で“空間を飾る”という視点で写真を選ぶ際、どんな基準で選ぶのだろうか?
「全てにおいて、ベーシックなものが好きなんです。だから、家を飾るという意味で選ぶとしたら、写真も人物モチーフのものより、ランドスケープがいいですね」という答え。
カラフルな色合いの〈イエローコーナー〉のビーチの写真はリビングに。
「楽しげだし、抜け感もあっていいですよね」(土井地さん)
「色使いがかわいくて、私も好きです」(恵理子さん)
と、おふたりとも好みがぴったり一致。
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さらに、「沖縄にいった時に一目惚れした買った」というボックスのうえには「一番好きな場所」というニューヨークの写真を置いて、旅っぽさを感じるコーナーに。
「この箱、東インド会社がかつて貿易の時に荷物の運搬用として使っていたものなんですよ。絶対ほしいと思って」と土井地さん。その大きさに、恵理子さんは最初驚いたそうだが、今ではリビングのインテリアの大事な要素となっている。
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インテリアは、ハンス・J・ウェグナーのヴィンテージソファや、ルイス・ポールセンのライト、アルヴァ・アアルトのダイニングテーブルなど北欧デザインの名作ぞろい。
「長く使えるものという基準でそろえました。二人が嫁ぐときにそれぞれもたせてもいいなあ、と」(土井地さん)
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そんな両親を見て育ったためか、世莉ちゃん、莉央ちゃんのキッズルームもセンス溢れる空間に。カラフルなガーランドや、外国製のおもちゃ、バッグなど、ローティーンの少女らしさが満載の、かわいくて楽しい部屋だ。
そのなかには家族旅行で訪れたベトナムで買ったランタンや、七五三のときの家族写真など、ファミリーで共有した思い出がつまったものもたくさん。おしゃれで、ファミリーの愛情と温もりが感じられる土井地さん宅の雰囲気をそのまま映した子ども部屋。育った空間と、子どもの感性はどこかリンクするのだ。
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