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吉田怜香|わたしと家族と、 家ものがたり。Vol.13
審美眼が作り出す、絶妙なトータルバランスの部屋。
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サンド、ベージュ、アイボリーそしてウッド。絶妙なナチュラルカラーが、サンルームから入り込む日差しを受けてリビングを一層明るく見せている。その色合わせは、彼女の透き通る素肌に施されたごく自然なメイクアップのように、どこまでもナチュラル。リネンのシャツと、洗いざらしのコットンパンツ、アクセントに添えたゴールドのピアスまでもが不思議と調和している。
ブランド「TODAYFUL」、ライフスタイルショプ「LIFE’s」のディレクターとして活躍する吉田怜香さん。自らのファッションを選ぶように、生活空間もベーシックを基調としてコーディネートされている。ブランド立ち上げから8年目。その審美眼はファッションの世界に留まらず、スタイルブックやSNSで発信される世界感に、ファンも多い。
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そんな彼女が現在暮らすのは、引っ越してまだ1年もたたないという都心のマンション。結婚、そして出産を機に、子育てのできる広い部屋を探していたとき、マンションオーナーが暮らしていたという、この広い物件と運命的に出合ったのだ。庭付きで132平米という広さは、まるで平屋のようなゆったりとした空間だ。
「正直、ここまで広い家を探していたわけではなかったんです。オフィスからもアクセスのいいヴィンテージマンションを探していて、偶然に見つけたのがこの場所でした」。
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重厚な木の扉に飾り天井、作り付けの食器棚の引き出しには真鍮の取っ手が付いている。ミッドセンチュリー風のその空間は、細部にまでこだわって作られたものであることが手に取るように分かる。そんな古き良き内装を生かしつつも、吉田さんは自らリノベーションを施している。
広いエントランスから伸びる廊下部分は、大理石の壁に合わせて床全面に石タイルを敷き洗練された印象に。ベッドルームは白の石タイル。対してリビングは、オリジナルを生かした木床で、温かみのある空間に。さらに、リビングの壁と床をつなぐ巾木にもテープを張って、白に変えるというこだわりよう。好きになった家を、もっともっと自分色に変えていく彼女のアイデアや技は、インテリア好きの域を超えている。
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「柄のフローリングなど気に入ってもいるのですが、全体を引いて見たときに、思いのほかウッドの面積が多かったんです。茶色の部分を少し隠すことで、モダンな空間に変わりました。でも賃貸物件なので、すべて現状復帰できるように工夫をしています」。
リビングの窓は、サッシの雰囲気がどうしても好きになれず、自身のショップの内装を手がけるチームと共同でガラスブロックの窓を作成。あとできちんと取り外しが利くようにはめ込んでいる。
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シンプルさとヴィンテージ感を大事にしたというこだわりの空間は、インテリアもバランスよく配されている。ヴィンテージのソファに、ガラスのペンダントライト、壁には古道具店で格安で見つけたという古木を使ったアフリカのオブジェが印象的だ。ダイニングには、ミッドセンチュリーを代表するエーロ・サーリネンのチューリップチェアのテーブルセットと、ジョージ・ネルソンのバブルランプが見事にマッチしている。
まるでファッションを選ぶように、ハイ&ローも、ブランドミックスもお手のもの。柱のない大空間は、そんな彼女の美的センスに満ちている。
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「古いものとモダンのミックスだけじゃなくて、所々に和を感じさせるのが好きなんです。作り付けの食器棚はぜんぶガラスを外して、あえて中を見せるようにしていますが、…
※「重量木骨の家」ホームページへ遷移します。
吉田怜香
1987年、兵庫県生まれ。神戸のセレクトショップで販売員をしながら、ファッション誌の読者モデルとして注目を集める。ファッションプロデューサーを発掘する雑誌主催のコンテストでグランプリを獲得し、ファッションブランド「Ungrid」のプロデューサーに。2013年オリジナルブランド「TODAYFUL」を立ち上げる。後に東京・代官山に「TODAYFUL」を取り扱うライフスタイルショップ「Life’s」をオープンさせた。これまでに、自身のスタイルブックを5冊刊行し、ファッションのみならず洗練されたライフスタイルには多くの女性に支持されている。近著に『32』(扶桑社刊)がある。