JANUARY / ツバキ
たくさんと一輪、和と洋、
スタイルにとらわれない軽やかな美しさ。
からりとした冷たい空気と、新しい年の訪れに身も心も引き締まる1月。「この時期は家族と過ごす時間がたっぷり。息子とお正月の準備をしたり、お参りに行ったり。行事ごとを楽しめる年齢になってきて、なんでも一緒にトライして共有する楽しさを感じます」そう話す壱岐さんが1月の花にあげたのは、冬の代表花『ツバキ』。「1輪を品よく飾るのとは別に、ツバキがわさわさと伸びて咲き誇っている姿をそのままを生かすのも時にはありかも。サンフランシスコのレストランで、こんもりと生けられたツバキのお迎え花を見たときにそう思いました」と、枝の根元からカットしたツバキを、大きなガラスの器に生けた壱岐さん。「花を丁寧に愛でようとする姿勢が、逆に丁寧に愛でようとしすぎて “ 花にふれる行為 ” を怖がる傾向をよく接客中に感じます。あれこれルールを聞き知って、型にはまった生け方のみが正解と思い込むより、こうやって大胆にガラスに生けたり、ラフに1、2本を好きな器に入れたり、もう少し気楽に楽しんでもいい。花器はシンプルなものなら家にある、ジャーやケトルでもいいし、ガラスなら個々の多彩な枝ぶりがよく見えて楽しいですよ」。自由な発想から様々な顔を見せるツバキが、冬の空間をぐっと華やかにしてくれる。