MAY / クレマチス
鮮やかに空気を描く
ピュアな花。
5月といえば花屋は大忙し。店内にいつも以上に溢れる花たちが、もうすぐくるあのイベントの訪れを一層盛り立てているようにも感じる。「母の日に花を贈る。そのピュアな気持ちをストレートに伝えるには、この時期だからこそのベタな品種が分かりやすいのかも。相手に一層喜んでもらうために、定番の中に自分なりの選択を加えた花を、母の日に贈るのはどうでしょう?」そう言って、壱岐さんが見せてくれたのは、淡い藤色の花びらに緑色の筋がほのかに入った、八重咲きの『クレマチス』。「クレマチスはたくさんの種類があって個性やカタチも様々。この「ルリオコシ」もあまり見ない品種かもしれません。でも、クレマチスを元々知っている人は親しみが湧くし、新しい発見も合わさって一層楽しんでもらえるはず。重なった花びらが豪華な印象なので、小さめのブーケ、一輪、苗、どんなカタチでも贈りものにとても喜ばれます。まるで踊っているように広がる葉っぱも愛らしく、一輪挿しにさっと挿すだけで空間がとっても華やぎますよ」。花を見るだけで、誰かの顔が浮かんで、心がほころぶ。贈る相手を想像して選ぶお花はいつだって、人を幸せにしてくれる。