冬のおでかけの必需品「てぶくろ」絵本【2歳以上におすすめ】
冬ごもりする動物たちを温かく描く民話『てぶくろ』。
冬の絵本といえばコレというような名作です。おじいさんが森に落としたてぶくろにたくさんの動物たちが集まってきます。ウクライナの民話が元になっていて、さまざまな絵本作家によって描かれている物語ですが、なかでもやはりロシアの国民的絵本作家であるエウゲーニー・M・ラチョフ版の『てぶくろ』は家に必ず置いておきたい一冊です。てぶくろに住み着く動物たちがまず愛らしい。きゅうきゅうに並んでいる姿はそれだけで子どもたちの心をひきつけます。さらに、雪が吹きすさぶ雪原の美しさ、動物がふえるごとに変わっていく手袋の変化など奥行きのある表現は、大人も子どもたち一緒に楽しめるものです。
赤色が大好きな女の子のお話『あかがいちばん』。
子どもたちは、2歳くらいになると自分で洋服や靴を選んで「これが着たい!」と言い出すようになります。そんな気持ちを見事に描いた絵本です。1982年にカナダで刊行され、世界的ベストセラーとなった絵本で、昨年日本でも復刊されました。主人公の女の子は「あか」が大好き。靴下も上着も長靴も「あか」がいい! お母さんは違う色をすすめてくるけど「おかあさんたら わかってないんだよ」と、お気に入りのものを選んでいきます。もちろん、てぶくろも茶色より「あか」。穴だらけでも、これが「いちばん すき」。「すき」という気持ちって大事です。読み終わったら、子どもたちと「何色のてぶくろをしてみたい?」と自分だけのお気に入りを探す相談をしてみてはいかがでしょうか。
落し物のてぶくろはどこにある? 『てぶくろがいっぱい』。
アメリカの作家フローレンス・スロボドキンが自身の双子の孫をモデルに描いた物語に、夫で彫刻家のルイス・スロボドキンが挿絵をつけた心温まる物語。ルイスは、絵本『たくさんのお月さま』でコルデコット賞を受賞したほか『百まいのドレス』など絵本作品を多く手がけています。ネッドとドニーのふたごの兄弟。ドニーが赤いてぶくろをなくしたことから物語ははじまります。そのことを知った近所の人たちが次々とてぶくろを届けてくれて……。予想外にたくさん集まったてぶくろ、一体どうするのでしょう? 表紙にも描かれた、たくさんの吊るされたてぶくろがかわいらしく、物語のおしまいもチャーミング。この絵本は、読み聞かせに慣れてきた4歳〜向け。