病院はこわくない?お医者さんの絵本【2歳以上におすすめ】
待合室で待っているドキドキを描いた『ドアがあいて…』。
ドイツ生まれのベストセラー絵本です。しいんと静かな待合室。夜中なのでしょうか部屋は暗くて少し不気味な雰囲気です。壊れたおもちゃたちは、おとなしく椅子に座ってドアが開くのを待っています。物語の構成はとてもシンプル。ドアが開くと、おもちゃが出てきて、またひとり入っていく……。一体、ドアのむこうでは何が待っているんだろう?待合室のおもちゃが減っていく中で、そんなドキドキが募ります。入っていくおもちゃの様子と、出てきたときの様子をよ〜くみると、その違いに「おや?」となるはず。どこが違っているのか、読み比べて、親子で治ったところをあてっこするのも楽しいです。病院に行く前に読んでおくと、先生に呼ばれたら「こんにちは!」と自ら診察室に入れるようになるかもしれません。
からだの仕組みや病気のことを50音で知る『からだ♥あいうえお』。
病院を怖がる子どもたちにもっと病院のことや自分の体のことを知ってもらおう、と現役の小児科医が原案を手がけています。50音にあわせてリズミカルに体や病院にかかわる言葉を紹介していきます。「けがしたらおみずで きれいに あらいましょう」や「ちょうしんき からだの ちょうしが きこえます」など子どもたちが普段、病院で受けている診療はこういうことなんだ、だから治るんだ、ということをイラストと言葉でわかりやすく伝えます。予備知識を持つことで、子どもたちの不安をとりのぞき、さらに、読みやすい解説も添えられているので、それも一緒に読んでいくと大人も勉強になります。佐々木一澄さんによるイラストレーションもかわいらしく、カバー裏の「あいうえお表」で新しい言葉もたくさん覚えられそうです。
病院はどんなことろするところ?『びょういんに おとまり』。
ハンガリーで小児科医として入院する子どものストレス緩和に取り組んできた作者が、入院しなくてはいけなくなった子どもたちのために書いた1冊です。朝、病院にやってきて、入院することになった男の子。たくさんの診察や検査をして、病院にお泊まりをします。検査にはいろんなことがあって、心電図をとったり、レントゲンとったり、注射をすることもあります。入院した子どもたちに向けて、丁寧にその様子を描いているため、やや長めのストーリーになっています。特徴的なのは、テキストの下に「あなたはどうでしたか?」と読み手に問いかけるテキストが添えられていること。実際に、入院を経験した子どもたちにとっては、この絵本を読むことで、自分の病気や治療の理解を深めるよいきっかけになる仕組みになっています。