〈群馬県立近代美術館〉で「長島有里枝 × 竹村京『まえ と いま』」を開催
〈群馬県立近代美術館〉では現在、長島有里枝と竹村京の2人の作家による企画展「長島有里枝 × 竹村京『まえ と いま』」を開催しています。
社会における家族や女性のあり方を問う作品を発表し続け、2001年には「第26回木村伊兵衛写真賞」を受賞した長島有里枝。現在は写真のみならず、文章の執筆や映像、立体作品の制作など、さまざまなジャンルで活躍しています。群馬県高崎市出身の母方の祖父母を持ち、幼少期から年に数回高崎を訪れていた長島は、これまで大好きな祖母が撮った古い花の写真をモチーフにした作品を多数発表。本展では過去作だけでなく、祖父母の遺品を使った新作も披露します。家族それぞれが生きた時間と自らの現在を繋ぐ、ストーリー性のある作品に注目です。
一方、竹村京は2000年にドイツ・ベルリンに留学し、2006年にはシドニー・ビエンナーレに出品するなど世界を舞台に活動してきた注目のアーティスト。2015年に帰国し、現在は高崎に居を構えています。写真やドローイングの上に刺繍をした布を重ねることで、失われたものの存在やその記憶を捉えた作品を発表している竹村。長島同様、家族をテーマにした作品も多く、今回の企画展では東京の実家の取り壊しと両親の高崎への移住をトピックに、東京と高崎、過去と現在をオーバーラップさせ、群馬で生み出された最新の絹糸も用いながら記憶や時間をテーマにした作品を展示します。
また、2019年8月4日(日)には竹村が写真や壊れたものをアート作品へと変えるワークショップを、8月18日(日)には長島が日光写真を制作するワークショップを開催。小学生〜大人を対象としているので、親子での参加もおすすめです。この夏は高崎の地で、第一線で活躍する同世代の2人の作家の作品を堪能してみてはいかがでしょうか。