生物学者福岡伸一ハカセのお話とオリジナル顕微鏡づくりを体験!【ヘリーハンセン×Fasuのワークショップレポート】
自然と子どもがもっと近く、深く関わるために
子どもにとって自然は宝の山。
植物のきらめき、虫たちの生命力、風の音、土の香り、あらゆるものが子どもにとっては遊びの対象であり、好奇心の源となります。
ヘリーハンセンは、子どもたちと自然の関わりをとても大切にしている北欧のアウトドアブランド。この1年余り、多くの時間を室内で過ごすことを余儀なくされた子どもたちに、そうした自然の面白さそして不思議さに目を向けてほしいという思いから、ヘリーハンセンとFasuでオンラインのワークショップを2021年10月16日に開催しました。
開催時の社会の状況を鑑みてオンラインでの開催となりましたが、子どもたちの積極的な姿勢や熱量はオフラインのイベントにも負けず劣らず。生物学者の福岡伸一さんにご登場いただき、大いに盛り上がりました。その内容をレポートします。
今回、Fasuにとって初めてのオンライン形式での参加型イベント。参加するのは30人のお子さんたちが、どんな反応になるのか楽しみです。
ヘリーハンセンの山﨑真悟さんの挨拶からイベントはスタート!
画面の向こうからたくさんのお子さんたちが手を振ってくれたり、ニコニコして挨拶をしてくれている様子が見られます。さすが、今どきの子どもたちは、オンラインでのコミュニケーションはお手のもの。
「今日感じたワクワクした気持ちは、これからずっと大切にしてほしい」という山崎さんの言葉に子どもたちも真剣に聞いていました。
自然がもたらす楽しさ、不思議だと思う気持ちを育んでほしいという思いがしっかり伝わったようです。
憧れの福岡伸一ハカセのトークがスタート!
そしていよいよ福岡伸一ハカセの登場です。ミミクリーズの監修やドリトル先生シリーズの翻訳などでハカセのことを知っている子も多く、ハカセが登場した途端にお子さんたちの目が一層輝きはじめました。
昆虫が大好きだった少年時代のことから話はスタートします。蝶々やカミキリムシが大好きで、四六時中、虫のことを考えたり、捕まえたり、標本にすることに熱中していた子供のころの話は、共感するところも多いのか最初から画面をじっと見ながら話に耳を傾けていました。
虫が好きなあまり、自分でも新種の虫を発見したくて、見つけた虫を調べてもらいに国立科学博物館に行った際、「生物を研究する仕事」があることを知ったという話は、福岡ハカセのその後の人生を大きく影響したエピソードとして、とても印象深いものでした。
話はどんどん膨らみ虫をきっかけに顕微鏡と出会い、それにも夢中になったこと。顕微鏡を調べていくうちに、かつてオランダで自作の顕微鏡で微生物を見たレーウェンフックという人物がいたことを知ったこと、そこから派生してフェルメールの作品に魅了されたことまで広がっていきます。
話の途中では、何回かクイズも出題され、それにはみんな率先して挙手!
さらに事前にワークシートで出されていた“ハカセからの挑戦状”の課題「自然の青を探そう」も、どのお子さんもたくさん書いてきてくれていたりと、楽しみたい!学びたい!という積極的な姿勢にこちらが圧倒されるほどです。
ハカセがいつも持ち歩いているという、スペシャルな虫取り網も披露してくれ、今も変わらず虫が好きでいると話してくれました。
全ての話を通して、「自分が好きなことに熱中していることで、人生が豊かになる」というハカセのメッセージは、きっと子どもたちに届いたことでしょう。
ワークショップタイム! レーウェンフックの顕微鏡を自分で作ることにトライ
お話の後は、ワークショップの時間。事前に郵送されていたキットを使って、ハカセのお話にも登場したレーウェンフックの顕微鏡の原理をつかった2種類の顕微鏡をつくります。
1つはペットボトルで、もう一つはビー玉と厚紙で。オンラインでのやりとりですが、みんな真剣に集中して取り組み、全員成功。「あ、ほんとに見えた!」と自分の作った顕微鏡でミクロな世界を覗けることに、次々と驚きの声が上がります。
キットに同封されていた布の端切れを見てその織目を観察したり、果物の皮や花びらを試してみたり、いろんなものを見る子が続出。顕微鏡を通すことで、家の中にある物が全く違うものに見えるという体験を通して、自然の神秘や面白さを感じ取っていたようでした。
再び福岡ハカセの登場。直接質問ができるQ&Aコーナー
ワークショップも終わり、いよいよイベントも終盤。福岡ハカセへの質問コーナーです。自然や生き物に興味があるお子さんが多く、次々と手が上がります。
「クモは小さな体の中にどうやって糸をしまっているのですか?」
「動物や虫にも血は流れていますか?」
など、大人でも知りたくなってしまう質問に対して、福岡ハカセは次々と明快にわかりやすく答えを解説してくれます。
質問は途切れることなく、全員に質問をしてもらいたかったのですが、終わりの時間がきてしまいました。
虫を通して次々と「好き」なものを見つけていった福岡ハカセのお話を聞き、ハカセと同じように顕微鏡に夢中になった1時間半。こんどは、自分で作った顕微鏡を持って、外の世界へ飛び出して自然の不思議や美しさをたくさん見て、自分だけの「好き」をどんどん見つけてほしいと願っています。