トラフ建築設計事務所の鈴野浩一さんによるギャラリーツアー&ワークショップをレポート。
まずは、トラフの鈴野さんが子どもたちに展示の説明を。“視点の切り替え”がキーワードになっている今回の展示、「子どもたちにも視点が変わる面白さを体験してもらいたい」という想いを伝え、ギャラリーツアーがスタートします。
子どもたちはNゲージの上を鉄道模型の「トラフ号」が走る展示に興味津々。鈴野さんが「ほら、ここをみて!」と言ったとたん、子どもたちは夢中で集まり、鈴野さんの話を真剣に聞いている姿が印象的でした。トラフ号を追いかける子やテーブルの下に入りこんでみる子。普段の展示会場じゃ見られない光景に鈴野さんも嬉しそう。
TOTOギャラリー・間は3階と4階が展示スペース。4階では、さっきまで走っていたトラフ号に乗った視点の映像が流れます。子どもたちは少し不思議そうに、でも「ここさっきみた!」と気づく場面も。視点が変わることを子どもたちにも体験してもらえたよう。
900個の「空気の器」で彩られた1階、セラトレーディングの空間を通り、ギャラリーツアーは終了。
次はいよいよオリジナルの「空気の器」を作るワークショップです。用意された真っ白な「空気の器」に、子どもたちは自由にペインティングをしていきます。真剣な表情で黙々と作業を続けていく子どもたち。鈴野さんもテーブルをまわって、子どもたちにアドバイスをします。
いろんな色を使って大胆に塗っていく子、丁寧にスタンプを押していく子など様々。あっという間に個性豊かな「空気の器」が完成しました。さっきまで平面だった紙を立体の器に広げたとたん、子どもたちの目はより一層輝きます。空気の器をきっかけに「みてみて!」と友達に見せ合う姿にお父さんとお母さんも笑顔。
最後に、自分の空気の器を持って鈴野さんと記念撮影。みんな誇らしげな笑顔に。
子どもたちは多くを説明しなくとも、こうして道具や環境を与えるだけで、自然と自分たちで解釈し、作品にとりかかります。「子どもたちの好奇心や集中力はすごいね。プロダクトや建築は、人やモノが入ることによって初めてその空間が完成する。今回子どもたちは自由な発想で展示やワークショップを楽しんでいた。そんな子どもたちの行動をこっちが追いかけたくなるくらい、自然と自分のものにしていたね。」と鈴野さん。常に新しい発見を与えてくれるトラフならではのアイディアに、子どもたちのピュアな心は反応し、ものすごいスピードで吸収します。このトラフの展示をきっかけに子どもたちの未来は、より一層いきいきと色づいていくだろう。
*展示は12月11日(日)まで。すでに行った人も、まだ行っていない人もこの機会をお見逃しなく。
トラフの鈴野さんに展示について伺ったのインタビューはこちらから。