【心のお悩み編】「蓮村誠×福本敦子によるウェルネスお悩み相談会」イベントの模様をリポート!
新型コロナウイルスと共に歩む時代となった、2020年。外出自粛、ソーシャルディスタンス、リモートワークなど生活様式が一変し、社会的にも経済的にも混沌としたムードが続く中で、「疲れが取れず、体が重い」「気持ちが前向きになれない」「仕事とプライベートのオン・オフがつけられず心に余裕がない」など、心身ともに不調をきたしている人も多いはず。
そこでFasuでは今回、連載「Dr.蓮村の子育てQ&A」(全5回)でもお馴染みの医学博士の蓮村誠さんと、書籍『今より全部良くなりたい 運まで良くするオーガニック美容本 by敦子スメ』でも知られる注目の美容コラムニスト福本敦子さんをお招きして、参加者のリアルな心と身体のお悩みに答える、ウェルネス相談会を実施しました。
お悩み:他人の行動や意見が気になり、自分の気持ちを押し殺してしまい、疲れていく一方です。どうすれば周囲に左右されず自分を強く持てますか?
コロナ時代において、「自分が周囲からどう思われているのか気にしてしまう」「ちょっとした言葉や出来事に左右され、延々と落ち込んでしまう」という声が非常に増えています。そんな落ち込みやすい心をケアする方法とは?
「自分の周りには、他者がいて、社会があって、いろんな物事が動いていて。その中で私たちは生きているので、どうしても周囲で起こる出来事に影響を受けている感覚があると思います。ですが自分の人生の中心には、“自分自身”がいなければなりません。周囲に左右されないためにも、まずは心の中に静けさを取り戻し、自分自身の内側を感じ取るようにしてください。人は誰しも必ず、心の中に純粋な想いを持っています。この『自分がどうしたいのか』という純粋な想い、願望を感じ取り、実現させることが人生においては重要なことです。
瞑想も心の静けさを感じやすい方法ですが、おすすめなのが、絵画・写真・音楽・映画・小説……など何でも良いので、作り手の心の内側から生まれた、創造的な作品に触れること。本当に創造的に作られた作品にはエネルギーがありますから、触れることで元気をもらえます。そうやって心がチャージされれば、自分の内側の純粋な想いにも気付きやすくなると思います。自分自身の内側を感じられなくなると、相談者の方のように周りのことばかりが気になるので、不安に陥ります。コロナ渦で特に周囲の声が気になる今だからこそ、自分の心が静かになれる時間をつくってみてください」(蓮村さん)
「周囲の声に左右されることがあまりない」という福本さんも、そのヘルシーなマインドをキープする為に、自分自身と向き合う時間を大切にしているそう。忙しい日々の中で、どんな時に自分と向き合う機会を設けているのだろう?
「私はヨガをやるのですが、ヨガをするときは集中する必要があるので、自ずと自分自身に意識が向けられるんですね。そういう意味で私にとってヨガをする時間は、自分と向き合う時間になっているのかもしれません。ただ、例えば『朝 or 夜のこの時間は必ず自分と向き合おう』と考えるのではなく、24時間、どんな時も自分の心の声に耳を傾ける姿勢が大切ではないかと思っています」(福本さん)
真の願望に目を向けて、自分の使命を叶えていく
人は誰しも本当に叶えたい「真の願望」をもっており、それを実現させることが大切だと語る蓮村さん。「真の願望」を実現させることが人生の使命であり、その使命をインドの伝承医学・アーユルヴェーダでは「ダルマ」、日本の伝承知識・コトハでは「ミコト」と呼ぶのだそう。しかし時に、「真の願望」ではなく「偽の願望」に惑わされ、そちらに気を取られることがあると指摘します。
「『偽の願望』というのは、本当はその人に必要ないのに、何となく欲しくなってしまう、やりたくなってしまうものです。例えば、『食事を通じて他者に元気を届けて幸せにしてあげたい』という真の願望を持っている人がいるとします。そしてその人の使命とは、健康的な食事を提供するレストランを開くことだとしましょう。でも真の願望を持ちながら、一方で「美味しいレストラン巡りをしたい」という偽の願望があり、この偽の願望ばかりに時間を割いてしまうことがあります。偽の願望を叶えることは、楽しくてラクなんですよ。例えば「美味しいレストラン巡り」だって、そこには楽しみがあるだけで苦労はないですよね。でも、楽しさだけを受け取って流されて生きていたら、本当に幸福にはなれません。
真の願望に向き合うときは、苦労や困難がつきものです。そしてそれを乗り越えた時に、人は本当に成長できるし、自分も他者も幸せにできる。だから人生では、自分自身の真の願望にしっかり向き合って実現させることが大切です。不安定なコロナ時代だからこそ、周囲に流されることなく自分の内側の声・真の願望に目を向けて、創造的に生きてほしい。それこそが、このコロナ時代を前向きに生きる上で不可欠な姿勢だと思います」(蓮村さん)
心を健やかに保つために必要なのは、「休息」と「消化力」
自分の内側の声に耳を傾け、人生で取り組むべき使命と向き合う。美容コラムニストという職業を通じてオーガニック美容の素晴らしさを伝える福本さんは、まさにそれを体現しているような存在。使命に向き合う中で、苦しさを感じることはあるのでしょうか。
「真の願望や使命に取り組む時は、先生の仰る通り苦しさもありますが、本当の苦痛ではなくて、自分にとって必要なチャ
「体調チェックはとても大事ですね。特に消化力が弱まっていないか、チェックしてください。消化力とは、食べ物を消化する力だけでなくて、周囲で起こる出来事や受け取った意見を噛み砕いて、自分の中で消化する力でもあります。消化力が弱っていると、人に言われたことがずっと気になってしまうし、心に苦しい思いが残ったままになってしまいます。冷たい食事の過剰摂取や睡眠不足によって消化力は弱まるので、白湯やスープで胃腸を温める。睡眠を最低でも7時間はしっかりとるようにしましょう」(蓮村さん)