ミュージシャン坂本美雨の子育て談には共感がいっぱい! 【ヤマハ銀座店発のラジオ番組「MAKE WAVES RADIO」収録レポート】
あちこちで音を奏でたり、聴いたり、あるいは楽器に触れてみたりと、子どもから大人まで音楽にまつわるさまざまな体験が楽しめる「ヤマハ銀座店」。1階には、ピアノ、カフェテーブル、ベンチをレイアウトした円形の美しい真っ白なピアノ「key between people」があり、ここを舞台に収録されているのが、インターネットラジオ番組「MAKE WAVES RADIO」です。
MCを務めるのは、クリス智子さん。ゲストには毎回、伝統芸能、アート、デザイン、フードなど様々なジャンルのアーティストやクリエイターたちが登場し、番組のタイトルにもなっている“Make Waves=心震わす瞬間”を音楽にまつわるエピソードとともに「key between people」の音色に乗せて届けてくれます。
そんな「MAKE WAVES RADIO」の第2回では、ゲストにミュージシャン・坂本美雨さんが登場。4月19日に行われた公開収録には、リスナーとして3組のFasuメンバーズも参加。「音楽とつながる『家族』のかたち」をテーマに、坂本さんと音楽の関係や、子育てについての心温まるトークが繰り広げられました。
チャーリーが提案する新しい音楽のカタチ
「音楽と家族」がテーマということで、今回の収録には、親子で参加したリスナーも。真っ白な不思議なピアノを囲んで、子どもたちもどんなお話や音楽が聴けるのかワクワクした様子のなか、MCのクリス智子さんが登場し収録がはじまりました。
今回の収録では、ヤマハのコミュニケーションロボット「チャーリー」の開発秘話からお話がスタート。解説してくれたのは、チャーリーの商品開発に携わったヤマハの柴瀬頌子さん。
チャーリーは、昨年5月に一般販売もされているほか、「ヤマハ銀座店」でも展示されている手のひらサイズの「うたロボ」。ヤマハのボーカロイド技術や自動作曲技術などを活用し、「今日のお天気は?」などと話しかけると“歌”で返事をしてくれることから、子どもも大人も、何度でも話しかけたくなってしまいます。
「音楽は聴く楽しみ、奏でる楽しみがありますが、チャーリーは“話す”ことに音楽を使うことで、日常のなかでの新しい音楽の楽しみ方を提供してくれます」と柴瀬さん。収録では実際にクリス智子さんがチャーリーとの会話に挑戦! 「チャーリー」と声をかけると「は〜い♩」とメロディにのせて返事をしてくれる様子に、リスナーのみなさんも思わず笑顔になりました。
人と人をつなぐ、それが音楽の持つ力
チャーリーの楽しい“歌”も相まって、一層和やかな雰囲気となったところで、いよいよゲスト坂本美雨さんの登場です。
冒頭ではまず坂本さんの幼少時代のお話に。坂本さんといえば、父親に坂本龍一さん、母親に矢野顕子さんという音楽一家で育ち、どんな風に音楽と関わってきたのか気になるところ。「家の中で四六時中音楽が流れているというわけではありませんでしたが、ライブやコンサート、レコーディングなど、両親それぞれが音楽をつくる“現場”にはよく連れて行ってもらっていました」
こうした体験から「音楽ができる過程を肌で感じていた」と振り返る坂本さんは、小学校のときには「音楽家になりたい」と将来の夢を掲げていたそう。「レコーディングスタジオにはエンジニアやスタジオミュージシャンの方がいるし、コンサートの現場には、スタイリストさんやヘアメイクさんもいて、みんなが真剣にひとつの音楽をつくることに取り組んでいました。その一人ひとりがかっこいいなと」
音楽はみんなでつくりあげるもの。クリエイティブの現場を体験した幼少期を過ごし、自身も歌手として16歳でデビュー。今年で活動25周年を迎えた坂本さんにとって音楽は、人と人をつなぐ波、まさに“make waves”そのものだといいます。
「音楽は見えないふわっとした形のないもの。でもみんなで音を奏でたときに、人と人が繋がった!という感動を心の底から味わうことができるし、それを聴いた人にも、その感動の波紋が広がって行く。そんな瞬間がたまらないんです」
音を奏でたときの感動、それを聴いたときの感動。音楽がもたらす“力”こそが、坂本さんの活動の原動力になっているようです。
どんな瞬間も母親でありたい
そんな坂本さんは、現在小学生のお子さんを持つ母でもあります。「(仕事と子育ての)両立はどうしているんですか?とよく聞かれますが、実はあまり深く考えてないんです。日常が仕事につながっていくし、仕事を日常に持ち込んでもいるし、子どもも巻き込んでいるし」と坂本さん。
今まさに、家で仕事をする時間が増えるなか、仕事をしているときの自分と母親としての自分の境目がなくなり、どう切り替えたらいいのか悩んでいる人も多いなか、坂本さんは「どちらの自分も子どもにとっては同じ母親」という姿勢を大切にしているといいます。
坂本さん自身、ステージで歌う母親は遠い存在に感じてしまい、寂しい思いをしていた経験から「(自分と)同じ環境に置くなら、子どもには同じ思いはさせたくない」、「仕事現場では騒がない、など基本的なことは教えますが、何よりもあなたを優先したいっていう気持ちは堂々としようと思っています」と語ります。
仕事に追われているとついつい仕事を優先してしまい、子どもとの時間を見失いがちになりますが「一緒にいる時間は限られていて、いつかは離れていってしまうけど、追いかけられるうちはどこまでも追いかけたい」という坂本さんの思いには、親世代の心打つものがありました。
たくさんの家族に聞いて欲しい「家族のうた」
トーク終盤は、今年で25周年を迎えた音楽活動のお話に。「自分ひとりでは続けられなかった」と、音楽でつながったたくさんの仲間やスタッフがいたからこそ、25周年を迎えることができたと改めて振り返った坂本さん。今年はそんな感謝の気持ちを込めて、全国各地でライブなどを予定しているそう。
さらに、先月は25周年の記念シングルとして「家族のうた」をリリース。5年前に配信した同曲を新たにアレンジしたもので、坂本さんの家族への思いが込められた楽曲になっています。「歌詞の内容は母と子の関係について正直に書いたもので、血は繋がっていても、別の人間で、違う人生を歩いてくし、わかりあえないこともある。親子は仲良く見えても本当にいろんな葛藤があると思いますが、一緒にいられる間は優しい時間を過ごしたい。そんな思いを込めた歌になっているので、ぜひたくさんの家族に聞いていただきたいです」と収録後に語ってくれました。
音楽とのつながり、そして親子の関係について、参加したリスナーの心に響くトークが満載だった今回の収録。収録の合間や収録後には、MCのクリスさんや坂本さんが、リスナーの子どもたちに声をかけてくれる場面もあり、終始和やかな雰囲気に包まれていました。
そんな収録の様子も伺える第2回「MAKE WAVES RADIO」は、本日より公式HPで配信がスタート。坂本さんのトークの全貌、そして、ピアニスト・外川智子さんによる「key between people」での演奏もお楽しみいただけます。
番組視聴者向けには、坂本美雨さんのサイン入りTシャツのプレゼント企画もあるので、ぜひ番組公式HPからお楽しみください。