動物の赤ちゃんが成長する早さは?
小型のネズミが最速で成長
おとなになる時期を「性成熟」つまり、子どもを生めるようになる時期と考えると、哺乳類では小型のネズミが一番早くおとなになると言えるでしょう。
たとえば、ハツカネズミの場合、繁殖できるようになるのは生後1~2ヶ月ほどです。そして、その名の通り、20日ほどの妊娠期間を経て、6~8頭の赤ちゃんを年に5~10回生みます。
有名な和算の「ねずみ算」では、ネズミは月に12頭ずつの赤ちゃんを生むものとし、1ペアのネズミが1年後に何頭に増えるのかを求めます。
その答えは……なんと276億8,257万4,402頭です! これは実際に生む頭数より、やや多めに見積もっていますが、実際に性成熟の早い小型のネズミの繁殖力は、多くの昆虫を上回るほど。驚異的な能力と言えます。
逆にアフリカゾウやマッコウクジラなどの大型動物は性成熟まで10年以上かかり、こうした大型の動物は繁殖力が低い傾向にあります。
また、動物は性成熟した後も成長を続け、性成熟時の体重は最大時の70%くらいのものが多いようです。そして、性成熟してもすぐに繁殖できるとは限らず、特にオスの場合、十分に大きくならなければ交尾することはできません。
赤ちゃんがお腹にいる期間は?
動物によって、妊娠期間も大きく異なります。先ほど紹介した通り、ネズミ類では20日前後ですが、キタオポッサムはさらに短く1~2週間ほどです。多くの有袋類 *1 の妊娠期間も1ヶ月以下と短いものです。
*1 有袋(ゆうたい)類
コアラ、カンガルーなどに代表される下腹部に育児嚢(いくじのう)と呼ばれる袋を持つ哺乳類(一部には育児嚢を持たない有袋類もいる)。胎盤を持たず、未熟な胎児を生み、育児嚢の中で育てることが多い。
逆に妊娠の期間が長いのは、しっかり成長した赤ちゃんを生む大型草食動物の仲間です。キリンは15ヶ月、シロサイは16ヶ月、アフリカゾウに至っては妊娠期間が22ヶ月もあります。キリンやシカの赤ちゃんが、生み落とされた瞬間から自分の脚で立とうとする姿は有名ですね。
また、海の中で暮らす大型のクジラも妊娠期間が長く、シロナガスクジラが11ヶ月、マッコウクジラでは15ヶ月と長くなっています。
そのほか、肉食動物の仲間ではライオンは4ヶ月、オオカミは2ヶ月、イタチは1ヶ月ほどと、体が大きい動物でも妊娠期間が短めです。これには未熟な子どもを産んでも天敵が少ない、妊娠期間が長いと狩りのハンデになるなどの理由が考えられます。
赤ちゃんは何頭生まれるの?
一番多く子どもを生むのはキタオポッサム。8~12頭も生みます。日本に生息している哺乳類ではネズミ類のほかに、イノシシの場合が平均4頭程度と多めです。
哺乳類の動物は、母乳で子育てをします。そのため、卵を産みっぱなしの生きものに比べると、一度に生める赤ちゃんの数には限りがあるのです。多くの動物の出産数は1回につき5頭以下で、大型の動物では1~2頭になります。
世界的な新型コロナウイルス感染症対策で、お家で過ごすことが推奨されています。なかなか動物園や牧場へは出かけられませんが、SNS上には動物園などによる投稿がたくさん。動物たちの現在の様子がチェックできますよ。
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