DATE 2020.06.17

アシカとアザラシ、 ここで見分けよう

丸々とした体型や愛くるしい表情で人気のアシカやアザラシの仲間。彼らの違いがわかると、水族館や動物園での観察ももっと楽しくなるはずです。
©︎Antonio Busiello/robertharding /amanaimages

出産や子育ては陸上でする

さて、冒頭の写真はアシカ? それともアザラシ?(正解は、2つ先の写真で!)

 

アシカとアザラシ、どちらも分類的には意外にもネコの仲間。 4本の足を鰭(ひれ)に変えた動物が鰭脚類(*1)です。

 

鰭脚類には、セイウチ、アシカ、アザラシの仲間が含まれ、ほぼすべてが海に住んでいますが、出産や子育ては陸上で行います。

 

このうち、大きな牙が特徴のセイウチは1種しかいないため区別しやすいのですが、アシカとアザラシはしばしば混同されます。

 

*1 鰭脚類(ききゃくるい)

水中生活に適応した哺乳類のグループで、ヒレ状の四肢が特徴。食肉目(ネコ目)に分類される。哺乳類の中でも大きな体をもち、最大のミナミゾウアザラシの体重は3〜4tにもなる。

セイウチ。オス、メスとも大きな牙をもつのが特徴
©︎Michael Runkel/Robert Harding /amanaimages

「動き方」と「耳の有無」がポイント

冒頭の写真の正解は、アシカ(カリフォルニアアシカ)。水族館でショーをするのは、ほとんどがアシカの仲間
©︎ Gakken /amanaimages

アシカの仲間は前足の鰭が大きく、上体を起こして歩くことができます。水中では前足で羽ばたくようにして泳ぎ、小さいながらも耳(耳介*2)があります。

また大型のトドや、毛深くて鼻先のとがったオットセイもアシカの仲間です。

 

*2 耳介(じかい)

耳の一部で、外に張り出している部分のこと。ヒトで言うと、いわゆる一般的に「耳」と呼んでいる部分を指す。

 

一方、アザラシの仲間は前足の鰭が小さく、上体を支えることができないため、陸上では腹ばいで移動します。泳ぐ時には体を左右にくねらせ、後足の鰭で水をかきます。

ゴマフアザラシ。アザラシの仲間は、陸上では腹ばいで進みます
©︎ASO FUJITA/a.collectionRF /amanaimages

またアザラシの耳に耳介はなく、穴だけが見えています。

つまり、水陸両用の鰭脚類の中でも、陸上寄りの仕様なのがアシカ、水中寄りの仕様なのがアザラシと言えそうです。

気持ち良さそうに水中を泳ぐ、ゴマフアザラシ
©︎YASUAKI KAGII/SEBUN PHOTO /amanaimages

水族館や動物園に行ったら、彼らの「前足の大きさ」や「耳の形状」に注目してみてくださいね。

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