DATE 2018.07.20

怖いけどみんな大好きになっちゃう“おばけ”の絵本

気になるテーマの絵本を3冊セレクトしてお届けする絵本ガイド。今回のテーマは「怖いけどみんな大好きおばけの絵本」。夏といえば肝だめし。暑い夏の夜には、おばけたちもぞろぞろ出てきそう……!? 怖いおばけもかわいいおばけもたくさん登場する楽しい絵本をご紹介します。
『こんやは なんのぎょうれつ?』 作/オームラ トモコ ポプラ社 本体1,300円(税別)

古今東西の怖いおばけが大集合!『こんやは なんのぎょうれつ?』。

動物たちがずらりと並んだ『なんの ぎょうれつ?』や、のりもの50台がずらりと並んだ『なんの じゅうたい?』なども知られる人気シリーズから夏の日におすすめしたい1冊。  。『こんやは』とタイトルにある通り、時は満月の夜中2時。そんな夜更けに行列しているのはたくさんの「妖怪」たちだったのです! 魔女やドラキュラ、おおかみおとこ、フランケンシュタインなどヨーロッパの妖怪もいれば、かわいいざしきわらしやひとつめこぞうも、大きな大きな妖怪たちも、みんな一列に並んでいます。行列の先には一体、なにがあるのでしょう? 並びに並んだ妖怪たちは全部で72種類。並んでいる順番にいろいろなおばけを覚えていくのも楽しそうです。

 

『どっせい! ねこまたずもう』 作・絵/石黒亜矢子 ポプラ社 本体1,400円(税別)

迫力満点のおばけがはっけよい!『どっせい! ねこまたずもう』。

『ばけねこぞろぞろ』『えとえとがっせん』など妖怪や空想の生き物、動物などを実に魅力的に描くことで今話題の絵本作家、石黒亜矢子さんの新作絵本です。主人公は負け知らずの無敵の大横綱「にゃんこのやま」。どっしりと貫禄たっぷりの純白の妖怪、ねこまたです。100年に一度の大相撲大会で、大がまがえるのがまのぬまや大たこのたこつぼまるが横綱に挑みますが、にゃんこのやまは片手1本で次々と土俵の外へポイポイと。にゃんこのやまをなんとかやっつけようと妖怪たちも必死です。みんなで一斉に土俵に向かいますが……。色鮮やかに描かれた妖怪たちは見ているだけで楽しく、今にも絵本を飛び出てきそうなほど大迫力! 子どもたちが歓声をあげる大興奮の1冊です。

 

『もりのおばけ』 作・絵/かたやま けん 福音館書店 本体800円(税別)

幻想的な森で出会った不思議ないきもの『もりのおばけ』。

かたやま けんさんによるモノクロのやわらかな鉛筆画が印象的なロングセラー絵本です。弟と一緒に散歩へでかけた僕。森の中でかけっこをするうちに弟とはぐれてしまいます。森の中には「へんなもの」がいっぱい。だんだんこわくなってきた僕の前にあらわれたのは、不思議なおばけたちでした。「おーい」「おーい」の呼びかけ声にのって飛んでくるおばけたちの描写は、かなり独創的です。森の奥から、ずずずずずっと迫ってくるようなイラストレーションは、絵本の中を飛び出しこちらにまで迫ってくるかのよう。シンプルでありながら、おばけの怖さや不思議さを視覚的に十分に伝えてくれます。

 

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