建築家・隈研吾の大規模個展が開催中。“人に優しい建築”を親子で学ぶ機会に
米TIME誌にて「2019年世界で訪れるべき最も素晴らしい場所 100選」に選ばれたスコットランドの《V&Aダンディー》や《国立競技場》の設計に参画するなど、現代日本を代表する建築家のひとりである隈研吾。
本展は、世界各地にある隈作品より、公共性の高い68件の建築を、建築模型や写真、モックアップ(部分の原寸模型)などで紹介するほか、映像作品や会場前の庭に展示されるトレーラーハウスなど、合計74件が展示される。
隈作品の特徴といえば木を多用した建築であること。コンクリートや鉄のみで作られた建築とは一線を画すその造形は、「人に優しい建築をつくる」という隈氏の思いから生まれたもの。会場では、そんな隈が考える5原則「孔」、「粒子」、「斜め」、「やわらかい」、「時間」の5つのカテゴリーにそれぞれの作品を分類して紹介していく。
トンネルのような「孔」をつくることで街と自然をつなぐ役割を持つもの、水平・垂直ではなく「斜め」に組み合わせることで山や丘陵を思わせるもの。造形美だけではなく、土地や環境、文化に溶け込む「人に優しい建築」だからこそ、人々を魅了する隈作品は、未来を担う子どもたちにも触れて欲しいものばかり。
さらに会場では、ネコの視点から都市生活を見直すリサーチプロジェクト《東京計画2020(ニャンニャン) ネコちゃんの建築5656(ゴロゴロ)原則》(Takramとの協働)も発表。ひとつのハコに留まらず、転々と暮らし、ハコの隙間に入り込んで自らの居場所をつくるネコの生態は、ニューノーマルな暮らし方のヒントにもつながりそうだ。
隈作品、そしてネコの暮らしを通し、これからの都市に必要な新しい公共性、そして未来の都市のあり方を垣間見ることができる貴重な機会。ぜひ家族で訪れてみて欲しい。
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