DATE: 2021.07.15

日本の伝統美をパッケージで楽しむ展覧会。親子で美しき職人技を満喫!

日本の伝統的なパッケージを紹介する「包む——日本の伝統パッケージ」が目黒区美術館でスタート。「包む」ことに込められた日本人の美意識とその技巧を堪能することができる。
《卵つと》 山形県 撮影:酒井道一(岡秀行著『包』毎日新聞社、1972年 所収)
《卵つと》 山形県 撮影:酒井道一(岡秀行著『包』毎日新聞社、1972年 所収)

美しく「包む」ことで、アートのような造形美を感じる日本の伝統的なパッケージの数々。戦前からアートディレクターとして活躍した岡秀行(1905-1995)は、そこに日本人ならではの「美意識」と「心」を見出し、「伝統パッケージ」と名付け、収集・研究を続けてきた。

1972年には写真集『包』(毎日新聞社・現在は絶版)を出版したほか、展覧会を開催し、高度経済成長期に失われつつあった「伝統パッケージ」の啓蒙に努めた岡。本展は、そんな岡が収集したコレクションをもとに、日本の美意識や自然観が詰まった「伝統パッケージ」を、主に木、竹、藁など素材別に紹介していく。

《釣瓶鮓》 奈良県/釣瓶鮓弥助 撮影:酒井道一(岡秀行著『包』毎日新聞社、1972年 所収)
《釣瓶鮓》 奈良県/釣瓶鮓弥助 撮影:酒井道一(岡秀行著『包』毎日新聞社、1972年 所収)

日本の風土によって育まれ、私たちにとって馴染み深い素材が使われている「伝統パッケージ」。そのデザインには、“生活の知恵”が詰まった実用性と機能性だけでなく、“いかに美しく包むか”という職人や作り手の想いと手わざを見てとることができる。

《おひねり》 撮影:酒井道一(岡秀行著『包』毎日新聞社、1972年 所収)
《おひねり》 撮影:酒井道一(岡秀行著『包』毎日新聞社、1972年 所収)

藁の苞(つと)の素材の美しさ、すし桶、菓子箱の職人技による伝統美。今では目にする機会が少ない「伝統パッケージ」は、自然素材の生かし方、デザインとしての美しさのあり方、といった日本人が持つ美意識を子どもたちにも呼び起こしてくれるはず。

1970年代半ばに世界巡回展へと発展し、「TSUTSUMU(包む)」という言葉とともに大きな反響を呼んだ岡のコレクションに触れられる貴重な機会。ぜひ親子で訪れてみては。

※緊急事態宣言発令に伴い、イベントの開催状況は変更の可能性があります。
開催の状況はお出かけ前に「公式サイト」にてご確認ください。

※お出かけの際は密を避け、施設が定める新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策に従いながら、楽しく遊びましょう!

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