DATE: 2018.01.12
アーティストと科学者の父娘の展覧会「グリーンランド」中谷芙二子+宇吉郎展
アーティスト・中谷芙二子と科学者・宇吉郎の父娘による展覧会「グリーンランド」が銀座メゾンエルメス フォーラムで3月4日(日)まで開催中。
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霧のアーティストとして国際的に活躍する中谷芙二子と、その父であり科学者の宇吉郎による展覧会「グリーンランド」が開催中。本展では、晩年の宇吉郎が雪氷研究に打ち込んだ地、グリーンランドをタイトルに、銀座メゾンエルメスのガラスブロックを氷の大地に見立て、室内での霧の実験に挑みます。
「雪は天から送られた手紙である」という言葉で有名な科学者、中谷宇吉郎は、1936年に世界で初めて人工的に雪の結晶をつくり出したことでも知られています。科学の真理を大自然と人間との協働作業の中に見出した宇吉郎の姿勢は、霧を用いた芸術表現を試みる芙二子に、強く影響を与えました。宇吉郎の次女として生まれた芙二子は、絵画、映像作品の制作を経て、後に作家の代名詞となる、人工霧による「霧の彫刻」を1970年の大阪万博ペプシ館で初めて発表。以降、世界各地で80作品を越えるインスタレーションやパフォーマンスなどを発表しています。
常に変化してゆく自然や環境を観察し、記録し、再生する過程そのものを大きな営みとして捉えた2人。本展を通して、親子の、世代を跨ぐ芸術的な対話を感じることができるでしょう。また、会場を霧が包み込む不思議な体験は、親子でのアート鑑賞にもおすすめです。