DATE: 2018.04.25
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染色家・柚木沙弥郎は、柳宗悦(1889-1961)の思想と芹沢銈介(1895-1984)に啓発され、染色の道を志し、近年はフランス国立ギメ東洋美術館など国内外で展覧会を開催、今なお旺盛な創作を続けています。現在、本作家の展覧会が開催中。本展では柚木の染色に焦点を絞り、作者からの新規寄贈品と、所蔵品を中心に多彩な作品群が紹介されています。
柚木作品の特徴は何といっても、その生命感のある模様と鮮やかな色彩。柳は「模様の意義を解く事と、美を解く事とは同一の意味がある」としたうえで、「よい模様は直観で捕えられた本質的なものの姿である」「凡ての無駄を取り去って、無くてはならないものが残る時、模様が現れる」と述べています(「模様とは何か」1932年)。柚木による約70年の制作活動は、柳の説く指標を真摯に追うものでもありました。
柳宗悦、芹沢銈介の思想を受け継いだ染色家による展覧会を、ぜひお見逃しなく。