DATE 2021.12.13

コロナ禍で子どもの遊びがマンネリ化。いつもの公園でも子どもをワクワクさせる方法、何かありますか?【アートな子育て相談 Vol.2】

読者から寄せられたお悩みを、ミュージアムエデュケーターの会田大也さんと一緒にアートな視点から考える新連載。第二回目のテーマは、マンネリ化しがちな環境で子どもをワクワクさせる方法について。子どもの「退屈」を解消する目からウロコな声かけとは?
(c) Yukako Takahashi/「PHaT PHOTO’S」 /amanaimages
(c) Yukako Takahashi/「PHaT PHOTO’S」 /amanaimages

【お悩み】

コロナ禍になって早2年。国内では感染者数が減少傾向とはいえ、世界の感染状況を見ているとまだまだ油断はできず、どこかへ出かけても人混みが多いので結果遠出することを躊躇してしまいます。休日の過ごし方といえばこの2年間、近所の公園や施設を訪れるばかり……。我が子は小5、6歳、3歳と3人姉妹弟なのですが、3人を自由に解き放てる大きな公園も近場では限られており、週末のたびに「またあの公園に行くの?」と苦言が飛ぶようになりました。いつもと同じ場所でも、マンネリを打開する方法はありますか?

(Oパパ、小5・6歳・3歳の父)

会田

これ、この1〜2年で本当によく聞くお悩みですね。親は頑張って遊びに連れ出すけど、毎回同じ環境、同じ遊具に子どもが飽きてきてしまっていると。

Fasu編集部

家にずっといるのは退屈ですし、親は「どこかへ連れていってあげなきゃ!」と焦りますよね。でも結局、選択肢が限られてくるからいつもの公園に。特に都市部に住んでいる場合、公園の数が少ない・狭いといった理由で遊び場に悩んでいるファミリーは多いですよね。それに正直、毎回同じ場所へ出かけるのって付き合う親の方も飽きてくるというか……。

会田

でも実は子どもの遊びって、基本的にマンネリなんですよ。僕が子どもの頃なんかも、クラスで「かくれ鬼」という鬼ごっこが流行って、毎回一つ覚えのようにほぼクラス全員参加で、校庭でその遊びをしていました。先生に「他にすることないの?」と言われても、その遊びが楽しくて飽きずにブームがずっと続いていましたね。

だから前提として、夢中になっていさえすれば子どもたちは遊びの選択肢が多いことが必須ではないし、親は「いつも同じ公園でばかり遊ばせて申し訳ない」と罪悪感を感じがちですが、実は子どもたちは同じ公園でも満足、なんてことは多いと思います。だから結論から言えば遊びはマンネリでも大丈夫!です。

Fasu編集部

そう言われると気持ちがちょっと楽になりますね。ただ、質問者の方のようにお子さんから「もう同じ公園に行きたくない!」と言われてしまった場合は、どう打開すれば良いのでしょう?

会田

お子さんがいつも行く公園をマンネリに感じている場合、遊び方がワンパターン化してしまっている可能性があると思います。同じ遊具・同じ環境でも、遊び方のパターンを変えるだけで楽しみ方が変わるはずなので、たとえばいつもの公園の遊具も「この間とは違った遊び方をしては?」と提案してみる。子どもにとっては「遊び方を考える」こと自体が遊びになるんですよね。「退屈なら自分で遊びを考えたら?」と促すことで、子どもたちの中で新しい思考や発想力が生まれるはずです。

とはいえ、最近の公園では想定されている使い方以外は禁止されていることも多いので、その遊び方のバリエーションの少なさが、子どもたちの不満に繋がっているような気もするんですけどね……。ただ、自分自身や周囲に危険が及ばない範囲で、遊び方を工夫して考えてみるというのはマンネリの打開策として有効だと思います。

Fasu編集部

我が子が自由に遊びつつ周囲の安全も考えるという点では、都市部の公園は狭いので、幅広い年齢層の子どもたちがごった返すこともあって、周りに気を遣うことは多いですよね。心配心から、「この遊具は小さい子が多いからそこでは遊ばないでね」とか「お兄さんたちがボール遊びをしていて危ないから、場所を変えようか」など、先に危険を回避して遊び場を制限してしまう事もあると思います。でももしかするとそれが子どもの遊びの幅を狭めてしまっているのかも、と今感じました……。

会田

気持ちはすごく分かりますけどね。でも基本的には、色んな年齢の子たちと遊ぶことは子どもの成長にとってとても良いことだと思います。年齢だけでなく、体のサイズや性格や遊び方も全然違う人たちがいるんだ、ということを知る機会にもなりますよね。もしお子さんが初対面の子たちと一緒に遊びたがる場合、不安な気持ちはグッと抑えて(笑)、どんな風に近寄っていくか、どんなコミュニケーションをとるのか、まずは見守ってあげると良いと思いますよ。その観察が、我が子の新しい一面を知るキッカケにもなると思います。

Fasu編集部

私も息子が未就学児の時は、他の子に怪我させられるんじゃないか、巻き込まれるんじゃないか、ってドキドキしていましたけど、いざ我が子が小学生に上がってみると、子どもたちって意外と自分で気を遣って配慮しているんだな、と感心することもありますよ。

会田

そうなんですね。よく観察していると、子どもって自分で力加減を調整する力も持っているし、自分のできそうもないことにはあまり手を出さないんです。もちろん、中には怪我を恐れず果敢にチャレンジする子もいますけど、でも前者の子の方が多いと思いますよ。

 

あとは、公園で子ども達の遊びを見守る時、自分の子どもではなくても、本当に危ない時には大人が声をかけてあげることは大切だと思います。よその子を注意するって今の時代じゃなかなか難しいとは思うんですけど、自然と声かけができるのが理想的だし、色んな大人と関わりあう経験は、子どもにとっても良い経験になるはずです。統一された価値観の中で育つよりは、統一されていないバラバラの価値観の中で育つ方が心が柔軟に育つと思います。小さいうちから他者の異なる価値観を知ることで、混乱しながらも物事を理解していく、その子の心の中でうまく折り合いをつけていくことが、成長に繋がるのではないでしょうか。

(c) Cavan Images /amanaimages
(c) Cavan Images /amanaimages

Fasu編集部

公園という小さなフィールドの中でも、遊びを通して、自分の周りには色んな人がいて色んな考えがあって、みんなそれぞれ違うんだとそこで学んでいく訳ですね。

会田

そうそう、社会に広がるリアルや矛盾に触れながら、少しずつ多様な価値観を理解して成長していくんですよね。だから、子ども同士の関わりはもちろん、大人と子どもの関わり合いも、公園という場所では大事だと思います。

 

質問者の方の回答に戻りますが、子どもたちってそもそも暇なので、「飽きた〜」「面白くない〜」というのは常套句で(笑)。あと、家庭内で親が遊びの選択肢を与えることが当たり前になっている場合、子どもたちは「新しいワクワクは大人から提供されてくるものだ」と思い込んでしまい、「いつもと同じ遊びじゃん」とマンネリに感じやすいと思うんですね。そこで一つおすすめしたい声掛けがあります。

それは「たまにはお父さんお母さんを楽しませてよ」と頼んでみること。そうすると子どもも張り切って遊び場所や遊び方を一生懸命考えて、準備してくれると思いますよ。いつもと立場を入れ替えることがとても重要で。ホスト側になる子どもは、たくさん頭を使って考えてくれるし、親が喜んでくれれば子どもは嬉しいにきまっています。

Fasu編集部

それは親も楽しいですね!自宅でもいつもの公園でも、その場所が急におもてなしごっこの舞台に変わるわけですよね。すべり台も砂場も、まったく違う視点で見られるかもしれない。おうちをパーティー会場にしてもらってもいいし。

会田

親が必死になって子どもの体験や遊びを提供してあげなくても、子どもはそこにある環境の中でオリジナルの遊びを見つけ出す天才ですからね。退屈に思える環境の中でも、子どもたちだからこそ見つけられるアイデアや好奇心が必ずあるはずです。環境がマンネリでも、遊び方次第では新鮮な体験ができると思いますよ。

【今回の会田先生からのアドバイス】

■その1 夢中になっているのなら、子供達の遊びはマンネリでもOK。「色んな場所へ遊びに連れてってあげなくちゃ」は、親の呪縛の可能性もあり。親が「おもてなし」をする必要はなし。

 

■その2 いつもの公園がつまらないと言われたら、同じ遊具でも子どもたちに新しい遊び方を考えさせてみよう。新しい発想や発見が成長の糧に!

 

■その3 新鮮さを求めるなら、親子逆転のロールプレイがおすすめ。たまには子どもに遊びをおもてなししてもらおう

子どもにまつわる疑問やお悩みを大募集!

募集は終了しました。たくさんのご相談、ありがとうございました!

 

Fasuでは、読者の皆さんが会田さんに聞いてみたい、お悩みや疑問をお待ちしています!アートな視点で、子育てをもっとクリエイティブに。身近なことから将来のことまで、皆さんといっしょに考えていきます。

例えば……

「YouTubeばかり見ているのが不安。何を見せればいい?」

「我が子はお絵かきに興味が全くありません。カラフルな色鉛筆や絵の具も買い与えてみたけれど……無理強いしないほうがいい?」

「外に出て、体を動かしたり色んな遊びを体験して欲しいけど、どうやったら新しい遊びに興味を持ってもらえるでしょう?」

「会田さんおすすめの子供と行けるミュージアムが知りたい!」

などなど。

 

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プロローグ編:会田先生ってこんな人!会田大也さんへインタビュー

【アートな子育て相談 Vol.1】:正直言って、工作やお絵かきの準備や片付けがめんどくさくてしょうがないんです。

 

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