工作、積み木、プログラミング。創造力を育む生き物おもちゃたち
“多くを学ぶより創造する方が優る。創造は人生の根底なり”
ジャン・アンリ・ファーブル
昆虫の脚の節や、羽のつくり、体の動き方……。虫の造形や色、構造は見れば見るほど美しく、面白い。自然の偉大さを身近に感じることができる虫や小さな生き物たちは、いつの時代も子どもを夢中にさせてくれる魅力に満ち溢れているものだ。
そしてそのユニークなフォルムや構造は、子どもたちのクリエイティブな感性を刺激するのにうってつけな複雑さと奥深さをもっている。生き物たちが冬眠しているこの時期、おうち時間をつかって、自然とクリエイティブの関係を楽しめるおもちゃ遊びをしてはいかがだろう。
自分の手で触って、見て、想像力を生かしてつくったり、動かしたりした体験は、春になって生き物たちが活気づくときにきっと彩りを添えてくれるはず。
01. オランダ発。作って楽しい、飾って嬉しい昆虫アート
「studio ROOF」 ウォールデコール ピーコック バタフライ
一見関わりがないようにも思える、「昆虫」と「アート」。けれど自然が生み出す独特の色彩と、コンパクトで機能的なフォルムを兼ね備えた昆虫は、存在そのものがまさにアート! 「羽は何色?」「どんな形をしている?」と、見ているだけで好奇心が刺激されるはず。
そんな魅惑的な昆虫をアートで表現したのが、アムステルダム発「studio ROOF」のウォールデコール。形や色合いを本物そっくりに象った昆虫型のペーパークラフトで、子どもでも簡単に組み立てられ、カラフルなデザインが存在感抜群。リサイクルされた段ボールとベジタブルインクで作られており、環境に優しいのもポイントだ。
ペーパークラフトなので気軽に飾ることができ、壁にかけたりグリーンにしのばせたり、インテリアのアクセントとしても一役買ってくれるはず。ラインナップも豊富で、昆虫採集のごとく、他の虫たちもコレクションしてみては?
02. 自分だけの虫を作り出せる!イマジネーションを広げて遊べるスタンプ
「Princeton Architectural Press」 スタンプBugs
スタンプ遊びは、子どもの想像力を生かす人気の遊びのひとつ。まだ上手に絵を描くことができない小さな子でも、押すだけで簡単に模様を描くことができ、子どもの満足感も抜群だ。押す時に力加減を調節したり、インクの色を変えることで混ざり合う色を楽しむのも醍醐味のひとつ。
NY発「Princeton Architectural Press」の「スタンプBugs」は、虫の頭、体、触覚、脚など25のパーツがセットになっていて、各パーツを組み合わせて自由に虫の形を作れるのが特徴。図鑑を眺めながらリアルな虫を再現してみたり、見たこともないオリジナルの昆虫を描いてみたり、完成形は子どもたちの自由な発想にお任せ。スタンプの組み合わせ次第で、表現の幅が広がっていく。
リアルな虫は苦手なママでも、見た目にもカラフルでスタイリッシュなスタンプなら、作品を壁に飾りたくなるはず。おしゃれで上質なBOXに入っているので、誕生日ギフトに贈るのもおすすめだ。
03. イモムシを思い通り動かせる。はじめてのプログラミング体験に
「フィッシャープライス」 コード・A・ピラー ツイスト
これからを生きる子どもたちに求められる力は、探究心に対話力、芸術的視点まで実にさまざま。とりわけ、豊かな発想力や論理的思考、問題解決力を伸ばせると言われる「プログラミング」に注目している人も多いだろう。
小さな子の初めてのプログラミング体験としてぴったりなのが、このイモムシ型ロボットだ。操作は「進みたい方向を選ぶ」「ダイヤルを回す」、たったこれだけ。あとはスタートボタンを押せば、イモムシがクネクネと走り始める仕組みになっている。自分の命令通りに一生懸命に進んでいくその姿は、昆虫好きの子どもの好奇心を刺激してくれること間違いなし!
イモムシの背中についた5つのダイヤルには、直進、右左などの方向指示以外に、音楽、動物のマネ、おしゃべりなどユニークなコードが組み込まれ、組み合わせると全部で1000通り以上の動きをコントロールできる。動かし方をマスターしたら、自分でオリジナルのコースを作ってゴールを目指したり、障害物を避けるなど高度なプログラムにも挑戦したい。
おもちゃながら、静岡大学との共同研究でこのロボットを使った教育パッケージが開発され、既に実際の教育現場でも採用されている。「初めてのプログラミング体験」にふさわしい、上質な知育玩具なのだ。
04. 皇室ご愛用。五感が満たされる上質なバストイ
「山のくじら舎」 おふろでちゃぷちゃぷ
生き物の形のおもちゃは見た目がかわいいだけでなく、子どもが生き物や自然を身近に感じるきっかけづくりにもなる。お気に入りの生き物を集めて、自分だけの世界をつくったり、お話を考えてみたり……。
高知県の工房「山のくじら舎」で作られている「おふろでちゃぷちゃぷ」は、そうした子どもの遊び欲をやさしく満たしてくれるおもちゃだ。ちなみにこちら、かつて上皇ご夫妻もお求めになったという、「お墨付き」だ。
その名の通り、おふろで遊べる木製トイで、山と海に恵まれた自然豊かな高知県の海で泳ぐ11種類の魚と、丈夫な網をセット。ぷかぷか浮かぶ魚をすくって漁師ごっこや魚屋さんごっこを楽しんだり、もちろん積み木として遊ぶこともできる。遊びを通して海の生き物を覚えられるだけでなく、ひのきは水に強く丁寧に手入れをすれば長持ちするため、物を大切にする心も育まれるはずだ。
このおもちゃが親にとっても嬉しいのは、材料に国産ひのきをつかっていること。毎日慌ただしく過ぎる育児中のバスタイムが、香り高いひのきの香りで満たされることで、ちょっとしたリラックス効果も。製作を手がける「山のくじら舎」の職人のほとんどは、実際に子育に奮闘中の母親たち。そんな親目線の愛情と、親への思いやりがたっぷりつまった木のおもちゃで、バスタイムを楽しんで。