1969年、子育て中であった37歳の時に『いやだいやだ』で絵本作家としてデビューした、せなけいこ。以降、『ねないこだれだ』『もじゃもじゃ』『あーんあん』など、一度みると忘れられない味のあるおばけや妖怪、女の子、うさぎなどのモチーフが描かれた絵本が、多くの家族に愛されてきました。

現在〈横須賀美術館〉では、『ねないこだれだ』の誕生50周年を記念して、せなの初となる大規模な原画展を開催中。『ねないこだれだ』をはじめ、『いやだいやだの絵本』や『あーあんの絵本』シリーズなど、代表作の絵本原画や貴重な資料を約300点展示します。

また本展では、貼り絵の手法を取り入れたせなのシンプルかつ独特な絵本の作風にも着目し、本人が使用していたハサミや糊などの道具や、包装紙・封筒といった材料も公開。絵本の制作風景が思わず目に浮かぶ、ファンにはたまらない展示品が並びます。さらにこれまで語られてこなかった、せなが絵本作家デビュー前に取り組んでいた幻燈や紙芝居の仕事も紹介することで、彼女の創作の世界について深く迫ります。

会場では絵本コーナーや楽しい仕掛けも用意しているので、小さなお子さんも一緒に楽しむことが可能です。せなけいこファンのご家族はぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか。